睡眠パターン

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1953年

シカゴ大学の研究室が

 

睡眠中の脳波と

身体の状態を測定して、

 

「REM(レム)」と

「Non-REM(ノンレム)」

 

という2つの睡眠パターンが

存在することを発見しました。

 

REMは

「Rapid-Eye-Movement」

(急速眼球運動)の略で

 

眼球が激しく

動き続けている睡眠状態は

 

「REM睡眠」

と名付けられました。

 

ですが、

 

「眼は脳の一部」と

位置付けてられているように、

 

REMのその本質は

眼球が激しく動いているという事実から

 

脳が活性化していることを

表しているので、

 

ここでは

「Active-Sleep」

 

という呼び方を

採用したいと思います。

 

AS(アクティブスリープ)では

起きているときと比べ、

 

脳波が20倍近くも

活性化するために、

 

最中は身体が脳波に対して

連動しないよう

 

筋肉を緩める「筋弛緩」

という現象が起こり、

 

さらには、体温調節も

上手くできなくなります。

 

私たちが怖い夢を見て

汗をかいてしまったり、

 

ふいにベッドから

落ちてしまったりするのは、

 

ASで

脳だけが激しく動き

 

身体はスイッチが切れている

という状態を示しています。

 

このように

 

ASは身体を

無防備な状態にして

 

脳にのみ大きな負担を

かけるために

 

長時間は

続けて行なうことができず、

 

1時間ほどしたら

 

次のASに備えるために

「休息」を行います。

 

それが「Quiet-Sleep」

 

いわゆる「Non-REM睡眠」へと

移行をします。

 

QS(クワィットスリープ)では

身体の筋弛緩が解けて

体温調節も可能となり、

 

脳が思考を止めた

「瞑想状態」に入るので、

 

夢を見ることもなければ

目が覚めにくくなります。

 

そのため、

 

QSは一般的に

深い睡眠と呼ばれていますが、

 

その本質は、

 

次の本睡眠に備えた

休憩時間という意味なので、

 

相対的には

ASよりも重要度が低く

 

アスリートや

ショートスリーパーの中には

 

実際にQSをとらない方も

存在しています。

 

このように私たちは

 

ASとQSを

約90分サイクルの周期で

巡らせていて、

 

通常6〜8時間の睡眠

であれば

 

一晩で4〜5回程度の

ASが行なわれることになります。

 

ASですが、

 

私たちの身体の中では

摂取した栄養素が

 

重要度順に器官へ

配分されていくように、

 

睡眠においても

重要なことから優先されていく

という仕組みになっているため、

 

複数回行われているASの

睡眠効果にも

 

実は初回と後半で

大きな格差があります。

 

つまり、

 

一晩で4回のASをとると

するならば

 

その仕事量は4分の1ずつに

均等分配されているのではなく

 

初回のASが

最大の仕事を行ない、

 

その回を重ねるごとに

 

ASの時間対効果は

下がっていくのです。

 

戦場にいる軍人や

夜勤明けの看護師、

 

多忙な経営者や

タレント俳優業の方が、

 

2〜3時間の睡眠を

毎日継続していても

 

健康に支障をきたさない

という事実があるというのは、

 

短眠の必要性を

高めることで、

 

初回のASの効果を

最大化しているからです。

 

以上のことから

 

質の高い睡眠を得ようと

考慮するのであれば

 

初回のASが鍵となる

ということがよくわかります。

 

つまり

 

単に「長く眠れば良い」

ということではなく、

 

いかに初回のASを

充実させるかが

 

睡眠行為にとって

最重要なのです。